
高圧受電設備やキュービクルを保有している事業者にとって、今あらためて確認しなければならないのが「PCB対応」です。
特に低濃度PCBについては、処分期限が2027年3月31日に迫っています。
2026年時点ではすでに確認を始めなければならないタイミングです。
「まだ期限まで時間がある」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
PCB調査を開始してから搬出処理までには、最短でも2か月、長い場合は4か月程度かかることがあります。
さらに、対象となる機器によっては設備更新や代替機器の手配まで見据えた計画が必要です。
そのため、PCB対応は「検査だけを行う作業」ではなく、キュービクル更新や高圧機器の入替も含めて検討すべき対応です。
今回は、PCB特別措置法のポイントと、今すぐ進めておきたい対応について解説します。
PCB特別措置法とは?
PCB特別措置法(正式名称:ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)は、PCB廃棄物を適正に保管・処分するための法律です。
PCBは、かつて変圧器やコンデンサなどの絶縁油として使用されていましたが、有害性が判明したため現在は製造・使用が禁止されています。
対象となる主な設備
- 高圧変圧器
- コンデンサ
- キュービクル内部機器
- 古い照明用安定器
- OFケーブル など
「1970年代以降のものだから、PCBが含まれていない」というのは本当?
PCBについて誤解されやすいのが、
「1970年代以降に製造された設備ならPCBは入っていない」
という認識です。
確かに、高濃度PCBは主に1972年頃までに製造された機器が対象です。
しかし、1973年以降の機器でも、絶縁油の製造工程などで微量PCBが混入していたケースがあり、それらは低濃度PCBとして処分対象です。
特に注意したいのは、
- 1973年~1990年代頃の変圧器
- コンデンサ
- キュービクル内部機器
などです。
つまり、1970年代以降のものでも低濃度PCBが含まれている可能性があります。
見た目だけでは判断できないため、必要に応じて絶縁油分析が必要になります。
高濃度PCBは、すでに処分期限を超過している
高濃度PCBについては、地域ごとに定められていた処分期限がすでに終了しています。
そのため、高濃度PCB機器が見つかった場合は、
- 速やかな保管状況確認
- 自治体への相談
- 関係機関との調整
が必要になります。
「そのまま使用・放置してよい」という状態ではないため、早急な対応が重要です。
低濃度PCBの処分期限は、2027年3月31日
現在、多くの事業者に関係するのが「低濃度PCB」です。
低濃度PCB廃棄物の処分期限は、2027年3月31日と定められています。
しかし実際には、PCB調査・サンプル採取・分析依頼・処分予約・搬出調整など、多くの工程が必要です。
期限直前になると、
- 分析依頼の集中
- 処分場の混雑
- 工事スケジュール遅延
なども想定されます。そのため、期限ギリギリで対応するのではなく、2026年のうちに確認・調査を進めることが重要です。
今すぐ確認しておきたいポイント
まずは、キュービクル内部に設置されている変圧器・コンデンサ・リアクトル・計器用変成器などを確認し、それぞれの機器について以下の情報を整理します。
- 製造年
- メーカー
- 型式
- 銘板情報
- PCB分析履歴
- 絶縁油の入れ替え履歴
- 過去の更新履歴
図面だけでは判断できないケースもあるため、現地で銘板や機器の状態を確認することが重要です。
などの場合は、速やかに専門業者に相談しましょう。
PCB調査は、設備更新も見据えて早めに進める必要があります
低濃度PCB対応は、一般的に以下のような流れで進みます。
- 現地確認
- 絶縁油採取
- 分析
- PCB判定
- 処分手配
- 搬出・処理
- 処分完了報告
ただし、PCB調査は「分析して終わり」ではありません。
対象となる機器が変圧器やコンデンサなどの高圧機器である場合、調査・判定後もそのまま使用を続ける前提ではなく、処分や更新まで見据えた計画が必要です。
特にキュービクル内の主要機器が対象となる場合は、代替機器の手配、停電調整、搬出作業、更新工事の工程調整まで関係します。
期限直前にPCB含有が判明すると、処分手配や工事スケジュールの調整が難しくなり、工期延期や緊急工事化、想定外コストの発生につながる可能性があります。
早めに確認しておくことで、PCB処分だけでなく、設備更新も計画的に進めやすくなります。
まとめ
PCB対応は、「いつかやる」ではなく、「今確認しておくべき段階」に入っています。
特に重要なのは、
- 高濃度PCBはすでに処分期限が終了している
- 低濃度PCBの処分期限は2027年3月31日
- PCB対応は、調査・判定・処分手配・搬出処理に時間がかかる
- PCB調査は、設備更新や代替機器の手配とセットで検討する必要がある
という点です。
まずは、
- キュービクル内機器の確認
- 銘板チェック
- PCB分析履歴の確認
から進めることをおすすめします。
「対象設備か分からない」「分析が必要か判断できない」という場合は、専門業者へ早めに相談し、現地調査を行うことが重要です。
川村電機では、こういったお悩みに対する無料相談も行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。


