はじめに
- 電気代が高いけれど、今のままの高圧、低圧受電でよいのか分からない
- 受電方式を変更すれば電気料金が下がると聞いたが、本当に切り替えるべきか判断できない
- すでに高圧受電だが、事業規模が変わり、実は低圧に見直した方がよい可能性もあるのではと不安
このようなお悩みを持つ方は少なくありません。
電気契約や受電方式は、一度決めると長年そのまま使い続けられることも多く、現在の使用状況に合っているか見直されないままになっているケースもあります。
しかし実際には、事業規模や設備構成、使用電力量の変化によって、適した受電方式は変わることがあります。
高圧受電が常に正解とは限りません。
一方で、低圧受電のままではコスト面で不利になっているケースもあります。
大切なのは、低圧か高圧かを一律に決めることではなく、自社の現状に対してどちらが適しているかを判断することです。
本記事では、低圧受電・高圧受電それぞれの特徴に加え、
どのような場合に見直しが必要か、どのような基準で判断すべきかを分かりやすく解説します。
低圧受電と高圧受電の違い
まずは、それぞれの受電方式の基本的な違いを整理しておきましょう。
低圧受電とは
低圧受電は、電力会社から100Vまたは200Vで電気の供給を受ける方式です。
一般的に、小規模な店舗や事務所、比較的使用電力量の少ない施設で採用されています。
低圧受電の主な特徴は以下の通りです。
- キュービクルなどの高圧受電設備が不要
- 初期導入のハードルが低い
- 保安点検や電気主任技術者の選任が不要
- 一方で、電力量単価は高圧受電に比べて割高になる場合がある
高圧受電とは
高圧受電は、電力会社から6,600Vで受電し、施設内に設置したキュービクルで必要な電圧に変換して使用する方式です。
工場、ビル、病院、商業施設など、使用電力量の多い施設で多く採用されています。
高圧受電の主な特徴は以下の通りです。
- 一定規模以上の施設で採用されやすい
- 電力量単価を抑えやすい
- 契約電力や使用状況によってはコストメリットが出やすい
- 一方で、キュービクル設置や保安点検などの維持管理コストが必要
つまり、
低圧は設備負担が少ない方式、高圧は維持管理の負担はあるものの、使用状況によってはコストメリットが出やすい方式
と考えると分かりやすいでしょう。
低圧から高圧に切り替えた方が良いケース
低圧受電のままでも問題ない施設は多くありますが、条件によっては高圧受電へ切り替えた方が合理的な場合があります。
電気料金の負担が大きい
毎月の電気料金が高額になっている場合、受電方式を見直すことでコスト削減につながる可能性があります。
特に、年間を通して使用電力量が多い施設では、高圧受電に切り替えることで単価面のメリットが出やすくなります。
空調や動力設備の使用割合が高い
業務用空調、冷凍・冷蔵設備、ポンプ、モーターなど、動力系設備の使用割合が高い施設では、電力負荷が大きくなりやすく、低圧契約のままだと割高になっていることがあります。
今後、設備増設や事業拡大の予定がある
事業の拡大や設備更新に伴い、今後さらに電力使用量が増える見込みがある場合には、将来も見据えて高圧受電に切り替える方が適しているケースがあります。
複数の低圧契約をまとめて効率化したい
建物の増改築や用途変更の結果、複数の低圧契約に分かれている施設では、契約の整理によって効率化できる場合があります。
高圧受電に一本化することで、契約や運用が見直しやすくなることもあります。
初期費用を回収できる見込みが立つ
高圧受電への切り替えには、キュービクルの設置や工事費などの初期費用がかかります。
そのため、単に「高圧の方が安そう」という印象だけで判断するのではなく、削減できる電気料金と初期費用を比較し、5〜10年程度で回収できる見込みがあるかを確認することが重要です。
低圧のままの方が良いケース
高圧受電にはメリットがありますが、すべての施設に適しているわけではありません。
使用状況によっては、低圧受電のままの方が合理的です。
使用電力量がそれほど多くない
小規模な事務所や店舗など、日常的な電力使用量が少ない施設では、高圧化による電気料金削減効果が限定的です。
この場合、高圧化にかかる初期費用や維持費を考えると、低圧のままの方がトータルコストで有利になることがあります。
今後の事業規模拡大が見込まれない
現在の設備構成で十分であり、今後も大きな設備増設や使用電力の増加が見込まれない場合には、無理に高圧へ切り替える必要はありません。
設備投資の回収が難しい
高圧受電への切り替えには一定の投資が必要です。
試算の結果、回収に長い年数がかかる場合や、事業計画上そこまでの投資が合理的でない場合には、低圧のまま運用する方が現実的です。
設置スペースや管理負担の面で不向き
高圧化にはキュービクルの設置場所が必要となるほか、保安点検や管理体制の整備も必要です。
こうした点を踏まえると、施設条件によっては低圧受電の方が運用しやすい場合があります。
高圧から低圧に見直した方が良いケース
受電方式の見直しは、低圧から高圧への切り替えだけではありません。
実際には、高圧で運用しているものの、現状では低圧に見直した方が合理的なケースもあります。
事業規模の縮小やテナント退去で使用電力量が減っている
以前は高圧受電が適していたとしても、事業規模の縮小や一部フロアの空室化、設備撤去などによって使用電力量が大きく減少している場合、高圧のメリットを活かしきれていない可能性があります。
契約電力に対して実際の使用量が少ない
契約内容は以前のままでも、現在の使用実績がそれに見合っていない場合、過大契約になっていることがあります。
その状態では、高圧の維持費や管理費の負担が相対的に大きく感じられることがあります。
保安点検費用や電気主任技術者の負担が大きい
高圧受電では、設備保守や法令対応にかかるコストが継続的に発生します。
使用電力量が減っている場合には、こうした維持コストの比重が大きくなり、低圧へ見直した方が合理的となる場合があります。
キュービクルの更新時期が近づいている
高圧から低圧への見直しを検討する大きなタイミングの一つが、キュービクルの更新時期です。
老朽化した設備を更新するにはまとまった投資が必要になるため、その時点で「本当に今後も高圧が必要か」を改めて検討する価値があります。
高圧のメリットを活かせていない
本来、高圧受電は一定規模以上の使用量があって初めてメリットが出やすい方式です。
現状の使用量や契約内容を見ると、その前提が崩れているケースでは、低圧への見直しも有力な選択肢になります。
判断のポイントは「どちらが良いか」ではなく「現状に合っているか」
受電方式を考えるとき、
「高圧の方が得なのか」「低圧の方が楽なのか」といった単純な比較になりがちです。
しかし実際には、重要なのは現在の使用状況に対して最適な方式になっているかどうかです。
判断の際には、次の3つを整理することが重要です。
1. 初期費用
- キュービクル新設や更新にかかる費用
- 配線や受電設備変更に伴う工事費
- 低圧化・高圧化のための切り替え費用
2. 維持費
- 高圧設備の保安点検費用
- 電気主任技術者の選任または外部委託費用
- 設備維持管理にかかるランニングコスト
3. 電気料金
- 使用電力量に応じた従量料金
- 契約電力による基本料金
- 今後の使用量変動も踏まえた想定コスト
これらを踏まえて、
トータルコストでどちらが合理的か、
設備投資を行う場合は何年で回収できるか
という観点で判断することが大切です。
見直しを検討すべきタイミング
受電方式は、次のようなタイミングで見直すのが効果的です。
- 電気料金が以前より明らかに上がっているとき
- 空調や動力設備を増設したとき
- テナント退去や事業縮小で使用量が減ったとき
- キュービクルが老朽化し、更新が必要になったとき
- 契約内容を長年見直していないとき
こうした変化があったにもかかわらず契約や受電方式をそのままにしていると、現状に合わない条件で運用し続けている可能性があります。
まとめ
低圧受電と高圧受電のどちらが適しているかは、施設の規模や用途、使用電力量、将来計画によって異なります。
高圧が必ずしも正解とは限りません。
一方で、低圧のままではコスト面で不利になっているケースもあります。
また、すでに高圧受電であっても、事業規模の変化によっては低圧へ見直した方が合理的になる場合もあります。
重要なのは、
「どちらが良いか」を一律に決めるのではなく、現在の使用状況に対して最適な受電方式かどうかを見直すことです。
現状に合った契約や受電方式に見直すことで、電気料金だけでなく、設備更新や維持管理を含めたトータルコストの最適化につながります。
ご相談をご検討の方へ
- 今の契約が本当に最適なのか分からない
- 高圧に切り替えるべきか、低圧のままでよいか判断したい
- 高圧のままだが、低圧へ見直すべきか検討したい
川村電機では、こういったお悩みに対する無料相談も行なっています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

